記事一覧

夫の不倫発覚から別居へ 今後どうすれば?―魂のリプライ―

新コーナー『魂のリプライ』
このブログ読者の方からいただいた相談や質問に白石がお答えするコーナーです。

今日の相談はこちらの方です。

****************************************

《相談内容》
3年程前に主人の社内不倫が発覚、昇進もダメになりました。
それ以来、主人はうつ状態になり、特に私とのコミュニケーションがほとんど取れなくなり、家庭内別居状態です。

心療内科にも通っていますが、症状は思わしくありません。
カウンセラーの先生は、とにかく見守って下さいと言うだけです。

別居も考えましたが、私は主人とやり直したいと思っていますので、なかなか決心がつきません。
主人とコミュニケーションが取れない状態がとても辛く、いつまで続くのだろうと、出口のないトンネルに入り込んでしまったみたいです。

白石さん、主人はいったい何を考え望んいるのでしょう?
私はどうしたらいいのでしょうか?
アドバイスよろしくお願い致します。

****************************************

このご主人ですがお名前などの情報を頂いていますので、ちょっと魂を覗かせてもらいました。

ご主人は、もともとはとてもユーモアもあり明るい方だったようですね。
人一倍のポジティブさもありました。

またご主人は自尊心が高いようでしたので、社内での立場が急落したことに対して強い恥を感じています。
プライドが折れてしまっているようです。

奥さんであるNさんに対しては、自分が悪いという強い負い目があり、Nさんの顔をまともに見ることができません。
ただ開き直ってしまうことで、かろうじて自我の崩壊を防いでいるようなところが見受けられます。
自分が100%悪いのは解っているのに、Nさんに対してはどこかで自分のプライドを保っておきたいという気持ちがあるのです。

実は本人の心理的には、傷ついている自分を自分で演出しているところもあります。
これは責任から逃げたいという気持ちの現れです。

自らをコントロールできないでいる自分の姿をNさんに見せることで、被害者意識をアピールしたいという気持ち。
「もう充分に自分は罰を受けている」という自分への許しの意識をコミュニケーションを拒絶することで表現しています

Nさんに対しては受け身の姿勢です。
もし強く離婚を求められれば拒否しませんが、もうろうとした中で何とかしたいともがいているようです。
夫婦関係を本気で壊してしまうことには強い躊躇が働いていますが、自分からNさんとの関係の修復に動くことは出来ません。
拒絶しつつもNさんからどんどんコミュニケーションを取りに来てほしいと思っています。

Nさん自身としては、自分から終わらせる勇気は持てずにモヤモヤしたまま今に至るといったところでしょう。
かなりメリハリをつけるタイプのようなので、いざとなれば別れることになってもスパッと区切りをつけることはできますが、それを躊躇させるだけの彼に対する情もあります。

こういった二人の状態を完全に元通りにするには、とても長い時間が必用です。
方法としては、Nさんから何事もなかったように接し続けていくしかありません。
不倫は無かったこととして、風化させてしまうのを待つのです。

もしこの問題を話し合いで決着をはかろうとすると、最後は必ず別居・離婚で落ち着くことになります。
一度別れて、気分新たに復縁するという手段もありますが、残念ながら二人の場合は復縁には至りません。

問題は白黒つけるだけが正しい解決方法であるとは限らないこともあるのです。
半分壊れてしまった橋をどうするのかという問題はとてもデリケートです。
今更、責任の追及をしたところでそれは完全崩壊へと導くだけ。
かといって一度壊してしまって、また新しい橋を築けるほど、二人の間に勢いはありません。

今後も二人で夫婦としてやっていくのでしたら、1~2年犠牲にしようとも時間の経過で風化させてしまった方がいいのです。
つまりツギハギだらけであっても、橋を修理しながら使い続けるということです。

まず取り急ぎ今の現状を打開するために、Nさんからのアプローチしてあげて下さい。
何もしないでいると、ますます切っ掛けが無くなっていくことになり、別居が既定路線になっていってしまいます。

「これからも一緒に頑張っていこう」という一言で早く普段の生活体系に戻すこと。
そしてそれからは、何事もなかったように淡々と今までのように生活していくことが急務です。

ただそこにはNさんに負担も強いられます。
有ったことを無かったこととして処理しなければいけないのですから、精神的にはとても辛いことでしょう。

最初のうちはテレビでの不倫の話題などのたびにギクシャク感があるかもしれませんが、そういったものもいずれ感じなくなるまで風化させることは出来ます。
時間の経過とともに苦はうすれていくはずです。

ご主人が離れようとするのも、すべてはNさんに対する負い目からの退避行動ですから、ここを取り除いてあげて下さい。
時間は開けないほうがいいです。
Nさんも「過去のことは過去のこと」とサバサバした気持ちを持ってください。

傷口が大きいのですぐに完全復活することは出来ませんが、夫婦の関係を維持することを目的とするのなら、はやく普段の生活に戻すことが重要です。
時間を置いていいことは何もありません。


バンコクより
白石

smiling again